Category : 勧善懲悪を学んだ時代劇と刑事もの

悪人たちを吊るせ! ”ハンギング“シーンが受けた「ザ・ハングマン」

「晴らせぬ恨みをはらし」という、裏稼業の殺し屋たちを描いた大人気時代劇シリーズが、ご存知「必殺仕事人」です。様々な殺しの技を持つ登場人物たちが活躍するこのシリーズを、現代の設定でリメイクするというコンセプトを持つドラマもありました。それが、現代版仕事人こと「ザ・ハングマン」シリーズです。

現代版仕事人は悪人を社会的に抹殺する!

「ザ・ハングマン」シリーズは、第1作が1980年に放送されヒットを記録すると、以降シリーズ化し第7シリーズ「ハングマンGOGO」(1987年)まで続きます。モチーフとなった「必殺仕事人」ほどとまでは言えませんが、それでもドラマシリーズとしては高い人気を獲得しました。

人気の要因は、やはりなんといっても仕事人の「殺し」に該当する、「ハンギング(処刑)」シーンです。とはいっても、現代ものであるハングマンでは、実際に悪人を殺害するのではなく「悪行を一般社会に暴露させ、社会的に抹殺する」という手法が取られました。

ハンギングの方法もシリーズごとに多彩となっていき、「ハングマンII」では悪行暴露シーンに悪役の家族を招く、「ハングマンV」では電波ジャックし告白シーンをテレビで放送する、といった内容になっています。 このハンギングシーンでの、企みが暴露され、また脅迫に屈してみっともなく命乞いする悪役たちの醜態が、視聴者にもカタルシスを与えたのです。

ホラー芸でブレイク前の悲惨な小父さんキャラ

終盤となる「ハングマン6」「ハングマンGOGO」では、このハンギングシーンの演出として、モルモット小父(おじ)さんなる人物が登場。これは悪役に「これから行う拷問を、モルモット小父さんにあらかじめ受けさせて見せつける」という脅しの手段としての演出なのですが、このモルモット小父さんを演じていたのが稲川淳二です。

今では怪談話の第一人者として知られる稲川ですが、当時は貧乏、不憫キャラのコメディアンとしてプチブレイクしていた、という状況でした。「悲惨だな、悲惨だな」とつぶやきながら、ひどい目に合わされるというコントは有名でしたが、これをドラマの中でもそのまま演じていたワケです。

この稲川演じるモルモット小父さんは、別にハングマンの仲間というワケではなく、女性メンバー・アイリス(鮎川いずみ)に惚れており、いいように使われているという役どころ。毎回電話一本で言葉巧みに呼びだされては、だまし討ちのようにハンギングの実験台とされてしまうのです。

どんどんコミカルになっていったハングマン

このモルモット小父さんの設定のように、当初はかなりシリアスな設定だった「ハングマン」は、シリーズを重ねるごとにコミカル路線へと転じていきました。シリーズ中盤にはこの路線変更も効果的だったのですが、終盤には飽きられてしまったようで、あえなく第7シリーズ「ハングマンGOGO」にて終了となります。

最後のハングマンのリーダーを務めたのは、石原軍団出身ながらどんどん肥満体となっていき、二枚目なのか三枚目なのかよくわからないという立ち位置の渡辺徹です。このキャスティング自体が、「ハングマン」シリーズのコミカル路線への傾倒ぶりを現しているようにも思えますね。

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