Category : 大人への入口はここだった?

自由に生きたい男たちは悩んでばかり

それまでの学園青春ドラマでは、「男らしく」「強く」「正しく」というような言葉としてきれいな思想の主張がされていました。毎回きちんと問題は解決しすっきりとした結論がでます。ドラマとしては面白く魅力はあるけれども、「セリフは臭い」という印象はあったでしょう。「レッツ・ビギン」や「涙は心の汗だ!」のようなキーワードは、若者の会話の中ではジョークネタとして使われることもありました。

「俺たちの旅」では、登場人物がいつも悩んでいてなかなか問題は解決しない、というパターンです。常に煮えきれないものが残るので、普通なら売れそうにないタイプの物語と言えそうですが、大ヒットしました。ドラマの主張する「自由な生き方」が共感を呼んだのでしょう。

束縛されない自由な生き方を求める姿がかっこいい

既に青春ドラマの教師役で人気を得ていた中村雅俊が大学生役で主役コースケを演じます。「こないだまで先生だったのに、また大学生!?」という違和感はあったものの、中村の個性的魅力は番組にとてもよくマッチしていました。小汚いジーンズやシャツ、中途半端に長くパーマのかかった髪、愛嬌のあるタレ目は、自由の象徴でもあったでしょう。

真面目だが引っ込み思案で何をやってもうまくいかないオメダ、カースケの先輩で仕事のできないサラリーマンのグズ六、東大を目指して何年も浪人中のワカメ。登場人物がことごとく「ダメ男」であることが特徴的です。

高度成長期に活躍し、エコノミックアニマルと呼ばれたサラリーマン社会に対するアンチテーゼのような主張がありました。「生真面目によく働く」「会社の決まりに従順になる」という生き方に合わない人間ばかりが集まり、いつも失敗をする。それでも、最後は友情とか人情で心だけは救われる。

貪欲に自由を求める主人公に周囲も巻き込まれ、皆がサラリーマンを諦めるようになります。「東大を目指していた」ワカメが社長となり「何でもする会社」を設立。4人はドブ掃除をしながらも楽しく生きる道を選択します。

実社会との乖離は大きく、ある種のユートピア物語と言えますが、閉塞感を抱いていた若者の間では、絶大な人気を博しました。当時大人気の小椋佳作詞作曲による主題歌「俺たちの旅」、挿入歌の「ただお前がいい」がドラマの切ない感情とよくマッチ。エンディングに流れるセンチメンタルなメッセージも、視聴者を強烈に引き込む効果がありました。

全回がDVD化、ブルーレイ化され発売されています。TSUTAYAなどでもレンタルされています。CS放送でもチャンネル銀河などで放送されています。 「自由へのあこがれ」がドラマヒットの要因だったと言えるでしょう。手堅く生きてきた「おじさん」たちも自由な生き方をもう一度思い出してみませんか?

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