Category : トレンディドラマが火をつけた恋

人前だって構わない!今すぐkiss me

手をつないで歩いているところですら、親に見られたら恥ずかしかった時代。人前でキスをするなんて、裸で出歩くのと同じくらい恥ずかしいこと。少なくとも80年代までは、そういう奥ゆかしさのある素晴らしい風潮が残っていました。

戦前には「男女七才にして席を同じうせず」と言われていました。儒教の教えで、男女はお互い距離を保つべきという考え方です。戦後になってそうした思想は少しずつ薄れていきます。それでも、70年代、80年代までは男女の交際においての節度がありました。キスをするのも二人だけのときだけ。性的関係があっても、ないフリをするのが普通。

セックスは「秘め事」であるからこそ、どきどきワクワクする感動も大きくなるはず。いつの間にか、キスもセックスも軽いものになってしまいました。感動の薄いキスは寂しくないでしょうか?

人前でのキスをおしゃれにしてしまった浅野温子

90年のドラマ「世界で一番君が好き」は、浅野温子と三上博史の主演ドラマ。布施博、風間トオルなどの二枚目俳優と、工藤静香、財前直見、石野真子などの美人女優も出演しています。出演者のほとんどが30才前後。アラサーの恋物語です。

オープニングで浅野温子と三上博史が渋谷の路上でキスをするシーンがあり、大ブームとなりました。これ以降、街中でキスをすることが若者の間で公認されます。30才の男女がOKですので、20代ならなおさら大丈夫。ドラマに憧れて渋谷のあちらこちらでキスする若者たちが続出。これが広まって、日本の常識が変わりました。

主題歌があおる、今すぐKiss Me

主題歌は、リンドバーグの「今すぐKiss Me」。90年の大ヒット曲です。ドラマではこの曲にのって、浅野と三上のキスシーンが流れます。路上キスをあおった名曲と言えるでしょう。

ボーカルの渡瀬マキは、元々はアイドル歌手。真珠で有名な三重県鳥羽市の出身だったため、「真珠のような女の子」というキャッチフレーズで売り出されます。かわいい顔に似合わず気が強く、着せ替え人形のように扱われるアイドルでいることが嫌だったそうです。自由に歌いたいとアイドルを1年でやめて、ロックバンドを結成した強者です。かっこいい女性です。

浅野温子の魅力が路上キスを一般化してしまいました。「浅野がキスしているのだから、私だって大丈夫」と間違った受け止め方をした女性たちを作ってしまったのは、浅野温子の罪でしょう。彼女の美しさが故です。

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