Category : 勧善懲悪を学んだ時代劇と刑事もの

悪い奴らをやっつけろ!

時代劇はとにかくたくさんあります。「銭形平次」「遠山の金さんシリーズ」「必殺シリーズ」などなど。「水戸黄門」は1969年から2011年まで40年以上も続いた長寿番組となりました。どんな時代劇にも勧善懲悪が基本思想としてあり、単純明快な「善」と「悪」の対立構造が描かれ、最後は善が勝つことになっています。

そのため、ストーリーは毎回似たものとなりマンネリズムにおちいりますが、逆にそれが時代劇の魅力でもあります。同じような話を観る安心感を視聴者が求めています。万が一、悪人が登場しないとか、善人が負けるというような、いつもと違うストーリーになれば、観る側は満足できません。

最後のキメゼリフも決まっています。「水戸黄門」では「この印籠が目に入らぬか!」、「遠山の金さん」なら「この桜吹雪に見覚えがねえとはいわせねえぜ」、と。視聴者には、これでスカっとさせてもらえるところが最大の魅力でした。

展開はマンネリであっても内容には違いをつけなければならず、制作者はその点に苦労していたはずです。「水戸黄門」が長年続けられたのは、黄門様が全国行脚をしているという設定だったからでしょう。毎回毎回別の場所が舞台となるため、「悪代官」も代わります。地方の視聴者にとっては、何年かに一度自分の地元を黄門様が訪ねてくれるのは楽しみの一つでもありました。

時代劇の中では、異色な存在だったのが「木枯し紋次郎」。ヒーローが奉行所の偉い人でも身分の高い人でもなく、「権力のない人」でした。肩書き以外のもので勝負できる男のニヒルさがかっこいいドラマです。

初めて登場したニヒルなヒーロー

紋次郎は世話好きでもお人好しでもないアウトローです。助けを求められても「あっしには関わりのねえことで」と断ります。それでも、行きがかり上、助けざるを得なくなり結果としてヒーローになります。「積極的ではないヒーロー」という珍しいパターンをつくり出し、新しいかっこよさを見せてくれました。口にくわえた楊枝を吹き飛ばすのも斬新でした。

殺陣の場面でもほかの時代劇と違い、リアリティに徹しています。バッサバッサと人を切りまくるということはありません。刀というよりも棒を使っているような戦い方です。それまでの優等生的イメージとはほど遠い、ニヒルさが魅力でした。

DVDのレンタルもされており、CSの時代劇専門チャンネルでも放送されています。 紋次郎は子供が真似したくなるような初めての時代劇ヒーロー。ニヒルな男のカッコよさを思い出すにはうってつけです。

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