Category : 懐かしいあの歌をもう一度

金曜八時に、贈る言葉

1979年に放送スタートした「3年B組金八先生」は、画期的な学園ドラマ。「金曜八時」の放送だから「金八」というネーミングもユニークでしたが、あらゆる意味で成功しました。

3つの特徴

ひとつは、新人タレントの登竜門となったこと。後に「たのきんトリオ」となる、田原俊彦、近藤真彦、野村義男をはじめ、鶴見辰吾、三原じゅん子、小林聡美、土屋かおりなど多くのスターを輩出しました。この番組以降、ドラマをステップにスターを目指すというコースが確立されました。

二つ目は、中学生の妊娠や校内暴力などをリアルにセンセーショナルに描き、社会的な関心を呼んだこと。学校の荒廃は当時の社会問題の一つで、その対応についてひとつのモデルを示したという点で貴重なドラマです。

現実離れした面はもちろんあるものの、本質を鋭く描いていました。学校の先生たちですら真剣に観て、ドラマから学んでいたほどです。全国の中学で卒業式にこのドラマの主題歌が使われたことは、社会的影響の大きさを表しているでしょう。

三つ目は、ドラマの主役が作った主題歌が爆発的に売れたことです。ドラマの主題歌が売れることはそれまでもありましたが、主役自身が作詞した曲は初めてです。

贈る言葉は失恋の歌

この曲の作詞は武田鉄矢。作曲は「海援隊」の千葉和臣です。千葉はもともと、チューリップの姫野達也とアマチュアバンド活動をしていましたが、姫野がチューリップに引き抜かれたのを機にバンドを解散して海援隊に加わります。以来、武田鉄矢とは現在に至るまで組んでいます。

武田鉄矢は73年に「あんたのバラード」で一世を風靡した後は全く売れず、極貧生活に陥ります。77年に「幸せの黄色いハンカチ」で俳優としての才能を開花、「あんたが大将」もヒットします。79年に、岸田智史主演で「金八先生」が企画されたものの、「君の朝」のヒットで岸田が多忙となったため、代役として武田の出演が決まります。「君の朝」がなければ、「金八」のヒットも「贈る言葉」のヒットもなかったかも知れません。

もともとは武田が女性に振られた時に作った失恋ソングだったものが、番組に使われたことで友情の歌として広まっています。心のあたたかみや優しさを、ていねいに柔らかく表現した名曲です。

第一シリーズの最高視聴率は40%と驚異的。最も成功した学園ドラマをもう一度観て、あの熱血にあこがれた感動を思い出してみませんか。曲を聴くだけでも、思い出せるものがあるはずです。

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