Category : 懐かしいあの歌をもう一度

男なら、さらば涙と言おう!

ドラマ「俺は男だ」は青春ドラマの金字塔。それまでにも、夏木陽介や竜雷太の主演した青春ドラマがヒットしていましたが、森田健作主演のこのドラマの人気は突出しています。青春ドラマの起源は「青春とはなんだ」で、これは石原慎太郎作の小説が原作となっています。「俺は男だ」も、雑誌「セブンティーン」に連載されていた津雲むつみのマンガが原作です。

夏木陽介や竜雷太主演のドラマでは、主題歌や挿入歌を布施明などのプロの歌手が歌っています。「俺は男だ」では主演の森田健作が歌い、役者兼歌手という「売れパターン」を作りました。後に、中村雅俊などがこのパターンで成功しています。

「上を向いて歩こう」のような曲

主題歌「さらば涙と言おう」の作曲は鈴木邦彦。鈴木は慶應の学生時代から中村八大に師事し、作曲家として活躍しています。なかにし礼とのコンビで、黛ジュンの「天使の誘惑」「雲にのりたい」、奥村チヨの「恋の奴隷」、橋本淳とのコンビでゴールデン・カップスの「長い髪の少女」などのヒット曲があります。「天使の誘惑」は1968年のレコード大賞を受賞しました。

鈴木が、阿久悠と初めて組んだのが「俺は男だ」の主題歌。当時の鈴木は阿久悠と面識がなく煙たい存在と感じていたそうです。それで、初対面では偉ぶっていくつかの条件を出します。「先に曲を作るから、一音も外さず省かず詞をつけること」「師匠である中村八大の作った『上を向いて歩こう』のような、前向きな詞にすること」と。

阿久悠が「はい、わかりました」とあっさり即答するのを聞いて、「こいつ、本当にできるのか?」と鈴木は疑問に感じたそうです。出来上がった歌詞は鈴木の注文通り。完璧なできの素晴らしい内容に鈴木は度肝を抜かれたという逸話があります。 日本の曲で初めて全米ヒットチャート1位を獲得した「上を向いて歩こう」が、「さらば涙と言おう」のモデルだったわけです。

10文字で区切られた歌

「うえをむいてあるこう」は10文字ですが、「さらばなみだといおう」も同じです。もともと、鈴木邦彦が作曲した時点で音符を2小節に10個のせており、「10」を意識した曲と思われます。詞の多くの部分が10文字で構成されています。

森田健作のはきはきした歌い方と歌詞とがうまくマッチし、ドラマの良さを引き立てました。挿入歌の「友達よ泣くんじゃない」も鈴木と阿久のコンビです。この曲も大ヒットしました。

「さらば涙と言おう」「友達よ泣くんじゃない」は、男の生き方や友情について教えてくれた、青春のバイブル曲です。是非もう一度聴いて、熱い気持ちを思いだしてみましょう。

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