Category : あの頃ぼくらは若かった。

お笑いの常識を変えたとんねるず

かつてお笑い芸人は、漫才やコントといった「芸」で売っていくのが当たり前。そんな中、ほぼ素人同然ながら勢いだけでスターダムにのし上がり、ファンのみならず芸能関係者を驚かせたのがとんねるずの石橋貴明と木梨憲武です。

伝説の「カメラ破壊事件」でブレイク

とんねるずは、東京の私立高校・帝京高校の同級生だった石橋と木梨が、1982年に素人お笑いコンテスト番組「お笑いスター誕生」で10週勝ち抜いたのをきっかけにデビューしたコンビです。しかし他の芸人と違い、師匠について下積みをして、といった時代を持たず、その勢いだけで人気を獲得していきます。

初期にレギュラーとして出演していた「夕焼けにゃんにゃん」では、素人と電話で口論する、収録中に興奮したファンと乱闘騒ぎを起こすといったハプニングを度々起こします。宴会芸を歌ったコミックソング「一気」で歌手としてデビューした際は、深夜番組「オールナイトフジ」に出演した際に歌いながら石橋がカメラに突進、そしてカメラを倒して破壊してしまうという伝説を作ります。この他にも、主に石橋によるファンとの乱闘騒ぎ、機材の破壊行為などが繰り返されるうちに、とんねるず(石橋)は「危険なヤツ」という見方が定着していき、本人もまたその過激なキャラを活かして大物タレントだろうと新人だろうと容赦なく「いじっていく」という芸風で笑いを取っていくようになります。

この「いじり」芸は石橋だけではなく、木梨だってノリノリで繰り出します。とんねるず初期の人気番組だった「ねるとん紅鯨団」は、素人参加型のお見合い番組でしたが、石橋、木梨の両者とも容赦なく素人の参加者をいじり倒して笑いを取りました。

また、かつてはタブーだった「楽屋ネタ」を得意としていたのも特徴です。ふつうにテレビを見ていただけではわからない、番組スタッフやプロデューサーといった裏方のものまねをしてみたり、トークコーナーで延々とネタにするといった新しいスタイルの笑いを作りました。

炎上しない理由は体育会系芸能ノリのおかげ?

この他にも、お笑いコンビでありながら、後にAKBを生む秋元康と組んで多数の楽曲をリリースする、石橋が元野球部、木梨が元サッカー部ということでスポーツジャンルにも積極的に絡んでいくといった、お笑いタレントがあまり手を付けなかった分野にもチャレンジしましたし、人気番組「とんねるずのみなさんのおかげです」ではゴールデン番組にもかかわらず下ネタを連発して抗議が殺到することも当たり前でした。

他には石橋は役者として「メジャーリーグ2」に出演、なんと世界デビューしてしまうという快挙(?)も成し遂げますが、こうした活動はすべて前例のない、型破りなものでした。

無茶なことばかりをしてきたとんねるずですが、今ならばあっという間に大炎上して活動自粛となるでしょう。しかし、かつては今ほど世論的にも厳しくなかったことに加え、とんねるずは一線を引いた大物や売れていない新人をいじってブレイクさせるようなケースも多かったため、芸能界内でも「許されている、愛されている」という特徴があります。

どことなく学生の先輩後輩ノリで芸能界を歩んできたようなとんねるず。無茶をしても助けてくれる先輩と、慕ってくれる後輩がいるのです。このノリ、同じ時代を歩んできたアラフィフ世代にとっても、懐かしいのではないでしょうか?

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